想い出のサダコ
本書の特徴・著者紹介
戦争の残虐性、そして生きることへの希望を心に刻む物語。
日英対訳、英文朗読オーディオCD付。
広島の「原爆の子の像」には、世界中から平和を願って、千羽鶴が届けられています。その「原爆の子の像」のモデル、佐々木禎子さんは2歳の時に広島で被爆し、12歳で白血病を発症。祈りをこめて折り鶴を折りながら短い生涯を閉じました。同じ病室で闘病生活を送った大倉記代さんが、禎子さんとの思い出を綴った本書は、「短かった命の輝き」を感じながら、平和への思いを優しく柔らかに奮い立たせてくれます。戦後70年。永遠に読み継がれてゆくべき名作を日英対訳で。
“原爆の子の像”のモデル・佐々木禎子と三か月間病室を共にした著者・大倉記代。当時14歳の少女・記代の目に映ったサダコは、明るく活発でちょっぴり背伸びしたい12歳の少女だった —折り鶴の“伝説”だけではない素顔のサダコの貴重な記録。そこに、記憶の扉をそっと開けたような夜川けんたろうのやわらかな絵が、サダコの心象風景を描き出す。当時のサダコの「痛みを何一つ感じ取ることができなかった」自分を「恥ずかしい」と思い、語ることは「苦痛」とこれまで拒んできた著者が、被爆60年を機に、サダコの想い出を綴った名作。“素顔”を知ればなお、思春期 —さらに輝ける季節— の入口で絶たれた命を悔しく思わずにいられない。
裏表紙の内容紹介より
紙書籍定価1,650円
書籍データ